詳細設計とは?基本設計との違いや代表的な7つの成果物について解説

詳細設計はシステムの開発を行う際に重要な工程の一つです。

詳細設計を正しく理解して活用することで、システム開発の方向性を詳細に定めることができます。

しかし、詳細設計がどのようなものなのか、どのような成果物を含むものなのかを正確に説明することができる人は少ないのではないでしょうか。

本記事では詳細設計とはどのようなものなのか、よく混同される基本設計との違いや注意点を含めて解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

詳細設計とは?

詳細設計とは?

詳細設計とはシステムやソフトウェア開発の工程の一つで、それ以前の工程で定めた要素や実践方法の詳細を具体的に定義する工程です。

実際に開発者が行う開発に向けて、システムの仕様の詳細をまとめる役割を果たします。

また、開発者向けに詳細設計の結果や成果物をまとめた資料を詳細設計書といい、詳細設計書はシステム設計とシステム開発の橋渡しとなる重要な資料です。

基本設計との違い

詳細設計は、システム開発において基本設計の次に行う工程です。

詳細設計では基本設計で大まかに定められた内容に基づき、システムの実現方法を詳細に決定します。

それぞれの設計の目的は大きく異なり、基本設計ではシステムのユーザーが直接目に見える部分の機能を構築するために設計します。

一方で詳細設計では機能を実現するためにシステムの中身の部分を構築するために設計します。

システム開発で詳細設計が行われるタイミング

システム開発は要件定義、基本設計、詳細設計、開発、導入という流れで行われるのが基本で、詳細設計は基本設計と開発の間に行われます。

流れとして、基本設計では要件定義で開発するシステムの目的を明らかにした後に、それをどのように作るのかという概要をまとめます。

その後に、基本設計で定められた内容に基づき、システムの実現方法を詳細に決定する目的で詳細設計を行います。

詳細設計がシステム開発に必要な理由

一定水準の品質を保つため

詳細設計を行うことによって、開発の品質水準を安定させることができます。

細かく開発方法を指示することにより、開発者の経験値に依存せずに、安定したパフォーマンスで開発ができるようになります。

このように、詳細設計の工程を行うことによって、開発者の経験やスキルに関わりなく、一定水準の品質を担保することができます。

開発を効率的に行うため

開発者が一から開発の方法を考えることになった場合、かなりの時間や労力を要します。

そこで、事前に開発の具体的なルールや方向性を決めておくことにより、効率的に開発を行うことができます。

また、開発を効率的に行うことにより、開発後の検証や確認の時間を長く取ることもできます。

「生産性を向上させること」と「システムの品質を向上させることという二つの観点から見て、詳細設計は重要な役割を果す工程と言うことができるでしょう。

開発後に検証するため

開発した後に詳細設計書をもとにシステムを検証することができます。

検証をせずにリリースしてしまった場合、システムにエラーが生じてしまう可能性がありますが、詳細設計書があればそのような事態を防ぐことができます。

さらに、詳細設計書に基づいて検証をすれば、検証作業も効率的に行うことができます。

詳細設計で必要な成果物

構造を示す資料

クラス図

クラス図とは、システムを構築するクラスの関係性を表したものです。

クラスとはシステム上のオブジェクトを作るための設計図のことを指しています。

クラス図には、基本設計書をもとにして開発に必要となるクラスごとの関係性が分かりやすく表現されていることが求められます。

モジュール構成図

モジュール図とは、それぞれのモジュールの持つ機能やシステムの構成についてまとめて可視化したものです。

モジュールとはシステムにおける各機能をプログラムの単位に分解したものを指しています。

モジュールで分解することによって、プログラムごとに開発を行うことができ、作業を効率化することができます。

流れを示す資料

アクティビティ図

システム開発におけるアクティビティ図とはシステムの処理やユーザーの実行の流れと条件分岐を可視化した図のことです。

フローチャートに似たような図式で、ある作業の開始から終了までの機能の流れを実行の順序に沿って描写し、複雑な情報の流れを明確化することができます。

複数のメンバーで開発を行う場合は全員が実行の流れを理解している必要があるため、このような図式を用いて共有することは非常に有用です。

シーケンス図

シーケンス図とは、時間軸に沿う形でプログラムの処理の流れや概要を可視化した図のことで、ユーザーへの説明にも有用です。

シーケンスとは順序を意味し、この図を活用することによって視覚的にシステムの情報処理の順序や概要を理解することができます。

シーケンス図はオブジェクト間の情報のやり取りを可視化できるため、テキストよりも瞬時に概要を理解することができるでしょう。

IPO

IPOはInput(入力)、Process(処理)、Output(出力)の頭文字を取っています。

日本語で「処理機能記述」のことで、システムの機能や処理の内容を3つに分けて可視化した図式です。

IPOでは、どのような成果物を作るのか、そのためにどのようなプロセスが必要で、何をインプットするのかを示します。

その他

開発方針の確認書

詳細設計では、具体的にシステム開発の方針を示す必要があります。

開発者が確認書を見て方針を理解することができるように、詳細に説明を記述することが求められます。

テスト設計書

テスト設計書とは、開発したシステムのテスト工程で必要なテスト項目や目的を決定する資料のことです。

テスト工程はシステム開発において欠かせない非常に重要な工程です。

不具合や問題があった時にリリース前に気が付けるように、テスト設計書を用いて抜け漏れなくテストを行いましょう。

詳細設計を行う流れ

基本設計書の内容を具体化する

詳細設計は基本設計の内容をさらに具体化させたものです。

そのため、まずは基本設計書をしっかりと読み込みましょう。

そして、詳細設計を行うメンバー間で内容の理解にズレがないよう、内容を共有し合う必要があります。

各機能を実装できるように設計する

詳細設計では各機能をプログラミングによって実装することができるように設計を行います。

そのためにまず必要な作業が各機能やロジックの整理です。

まずは、システムの各機能の役割をしっかりと把握しましょう。

次に、実装する各機能を割り振り、オブジェクトを共通化することができる部分はまとめて設計をします。

そうすることによって、開発を効率的に行うことができます。

また、プラットホームに合わせた設計をすることも重要な項目です。

詳細設計書を作成する

基本設計書は顧客に向けた資料ですが、詳細設計書は実際に開発を行うエンジニア向けの資料です。

開発を行うエンジニアがシステムの設計を理解しやすいよう、図式を効果的に用いましょう。

内容としてはクラス図、アクティビティ図、シーケンス図、モジュール構成図などを記載します。

フィードバックを受ける

詳細設計書が完成したら、他のメンバーにチェックをしてもらい、フィードバックを受けましょう。

作成者が気づきにくい誤字や変換ミスのほか、定義が不明確になっている点などがないかを入念に確認してもらいます。

開発に入った段階でミスやシステムの問題点に気づいた場合、手戻りをしなければならず、時間も費用も多くかかってしまいます。

そのため、詳細設計の時点でメンバーからレビューをしてもらうことは重要です。

詳細設計を行う際の注意点

詳細設計は設計と開発の間の橋渡しとなるため、曖昧な表現はせずに具体的に記述する必要があります。

また、エラーが起こった場合の処理方法を記載することも重要です。

実装の工程でエラー処理を考えるのは困難であるため、設計の段階で対応するようにしましょう。

また、システム開発はもちろんリリースして終わりではなく、その後も保守や運用することを想定する必要があります。

保守を行う人から見ても分かりやすい記述を心がけましょう。

パッケージ開発なら短時間でサイトの立ち上げが可能

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さらに、エンジニアがいなくても開発ができることから人件費を削減することもできるため、パッケージ開発を有効活用することによって業務の効率化だけでなく経費の削減にもつなげることができます。

まとめ

本記事では、詳細設計について解説しました。

詳細設計はシステム開発の中でも非常に重要な工程であるため、念入りに確認をしながら行いましょう。

また、システム導入を効率的に行うことができるパッケージ開発についても紹介しました。

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