システム開発を行う上で欠かせないのがプロジェクト体制の整備です。
プロジェクトの体制を整理するためにはプロジェクト体制図が効果的ですが、実際にプロジェクト体制図を作る際には気を付けるべきポイントが複数存在します。
そこで、本記事では、プロジェクト体制図の重要性から作成手順まで、抑えるべきポイントを交えながら解説します。
プロジェクトを進めるうえで活用できる内容となっているため、是非最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
システム開発には失敗するリスクがある
システム開発の失敗に明確な定義はありません。
しかし、システム開発には失敗するリスクがあります。
例えば、目的を明確にしないまま開発をスタートして理想でないシステムが完成した場合や、納期までに成果物が完成しなかった場合は失敗と言えるでしょう。
さらに、具体的なリスクとしては休日稼働などの無茶なスケジュール、開発チームのエンジニア不足、予算不足などが挙げられます。
こうした状況が発生した場合はプロジェクトが失敗する可能性も高いです。
プロジェクト体制図を活用することが重要な理由
一致団結することができる
プロジェクト体制図を作成することで、プロジェクトメンバーが一致団結することができ、足並みをそろえやすくなります。
例えば、プロジェクトは進行に伴って役割が変化したり、状況が変化することも多いです。
こうしたときにプロジェクトの体制図を作成しておくことで、メンバー間の認識を統一できます。
情報の更新やチーム間のコミュニケーションが取りやすくなり、認識のズレによるトラブルを未然に防止してくれるでしょう。
指示命令系統を明確にすることができる
体制図は、役職や指揮命令系統を図解しているので全体感をわかりやすく把握することが可能です。
例えば、プロジェクトの規模が大きくなると、チーム数やリーダーの数が増えることで管理体制が複雑化することが課題として挙げられます。
管理体制が複雑化し、指揮命令系統が乱れることで、進捗状況や連絡事項の報告や、リーダーの状況把握に支障を及ぼし、プロジェクトの進捗に遅れが生じるでしょう。
そのため体制図を用いて指示系統を明確にしておくことは重要です。
必要な役割や人材を明確にすることができる
体制図によってプロジェクトの全体像が明らかになることで、必要な人材や不足している人材を把握できるようになります。
どのような人材が必要でどれくらい必要かを把握をしていなければ、リソース不足によりプロジェクトが上手く進まない可能性があります。
また、反対に業務の重複や過剰な人材を見つけ出し、人件費の削減やリソースの再配分をすることも可能です。
過剰な役割の人材を不足している役割に配置することで、効率的な人材運用が可能になるでしょう。
プロジェクト体制図の作成手順
プロジェクト体制図を作る場合、まずはプロジェクトの目標や目的などを明確にすることが重要です。
本項では、プロジェクト体制図の作成手順についてそれぞれの手順やポイントについて説明します。
プロジェクト体制図の作成手順
プロジェクトの目的や目標を明確にする
前提としてプロジェクト体制図を作るタイミング自体を、プロジェクトの目的や目標が決定したときに実施しましょう。
なぜなら、目的や目標がない状態ではプロジェクトの計画を立てられず、計画達成のために必要な人材やチームの配置が適切なものでなくなってしまうからです。
目的や目標が決定してから作成することで無駄な予算や無駄な工程のない計画を立てやすく、適切な人材配置が可能になるため、目的や目標を明確にすることは重要なポイントとなっています。
業務範囲やチームを決める
プロジェクトの目的や目標が決定したら、次はプロジェクトの進行に必要な業務範囲やチームを決める必要があります。
この際に重要なのが、それぞれのチームがどのような役割を持っていて、何をするチームなのかを明確にすることです。
チーム名を見たら、どのような役割なのかを一目で把握できるような名前を付けることがポイントです。
各チームの認識が統一されて、役割に応じた対応を取れるように工夫をしましょう。
各チームに必要な人材を明確にする
プロジェクトの進行に必要な業務範囲やチームが決定したら、次は各チームに必要な人材を明確にすることが重要です。
この手順での注意点として、1人につき1つの役割に配置されるようにすることを意識しましょう。
具体例として、1人のリーダーが複数のチームのリーダーを兼ねている場合、負担が大きくなることでミスなどに繋がることが考えられます。
また、複数の役割を配置せざるを得ない場合には、それぞれの役割の違いや、兼務が書き間違いではないことの説明などを欠かさないようにしましょう。
プロジェクト体制図に落とし込む
これまでの手順が終わったら、後は実際にプロジェクト体制図に落とし込む作業になります。
この時にも意識するべきことが複数存在します。
まずは、シンプルにまとめることです。
一目で見てわかることを重視して、細かく情報を書きすぎないようにしましょう。
次に、誰が見てもわかるように書くことです。
ポジションの役割やリーダーなどをはっきりと書き、見た人が戸惑わないようにしましょう。
最後に、指揮系統を1本にまとめることです。
誰が誰の支持を受けて、どこに報告や相談をするべきかをわかるようにしましょう。
1本線で指揮系統を表すことで、リーダーを中心として動きやすくなります。
プロジェクト体制図に必要なメンバーの例
プロジェクトオーナー(PO)
プロジェクトオーナー(PO)は、プロジェクトの最高責任者を担うポジションです。
発注者の立場であり、資金や人材を投入するスポンサーを兼ねていることがほとんどです。
プロジェクトにはあまり関わらないケースが多いですが、可能であればプロジェクトの目的や経営戦略を伝える役割を果たした方が、プロジェクトは進めやすくなります。
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトを円滑に進めるための執行責任者です。
資金や人材のリソースを割り当てたり、スケジュールを調整したりと、プロジェクトの達成を目指す役割です。
PMの実力によってプロジェクトの成否が決まるとも言われているため、とても重要な役割となっています。
ただし、重要な役割であるからと言って責任を押し付けすぎてしまわないように気を付けましょう。
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)は、PMの意思決定を支援・サポートする役割です。
具体的には、ルールの策定や進捗情報の整理などを行います。
プロジェクトの規模や人員に応じて、コンサルティング会社などを使い人材を外注することも多いポジションになっています。
チームリーダー(TL)
チームリーダー(TL)とは、チーム単位の人材をまとめながら、上層のプロジェクトに関わるリーダーなどをサポートする役割です。
プロジェクトの規模に応じて複数人配置されることが多いです。
【役割を整理しきれない場合】役割分担表を作成し明確にする
役割分担表とは、プロジェクト体制図とは別に各ポジションの役割を示した表のことを示します。
プロジェクトの規模が大きい場合や、役職やチームが多い場合はプロジェクト体制図では役割分担が読み取りづらいことも多いです。
こうした場合には、役割分担表を活用してプロジェクトの人材ごとの役割を説明する方法が効果的です。
役割分担表は一目で見てわかるシンプルさが重要なので、複雑になりすぎる場合は役割分担表を作成すると良いでしょう。
パッケージ開発であれば必要な人員が最小限で開発できる
パッケージ開発とは、あらかじめ用意された機能を組み合わせて開発が行える開発方法です。
それぞれの機能を開発する必要がないため、大幅に開発期間やコストを削減することができます。
このため、開発に必要な人材も最小限で開発することができ、人員配置の手間も省けます。
プロジェクトを組んで行う開発は独自のシステムを開発するには効果的ですが、場合によってはパッケージ開発でも十分に開発を行えるケースも存在するため一度検討してみても良いでしょう。
まとめ
本記事では、システム開発には失敗するリスクがあることから、プロジェクト体制図が大切な理由やプロジェクト体制図の作成手順、役割分担表について解説しました。
プロジェクトを組んで開発を進める場合には、プロジェクト体制図が効果的です。
一方で、プロジェクトを組まずに開発を行うことが可能であれば、その方が簡単でコストも抑えられます。
そこで、パッケージ開発は、時間や人材、コストを省いて開発を行えるため効果的です。
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