システム開発でのV字モデルとは?効率的に開発ができる3つの理由を解説

ソフトウェア開発を効率的に行う方法としてV字モデルは有効的な開発方法だと言えますが、V字モデルについて詳しく知らない人も多いでしょう。

V字モデルは現在でも活用されることが多く、メリットも多いため開発において重要とされています。

そこで、本記事ではV字モデルとは何かについてから、V字モデル開発の流れ、V字モデルのメリット・デメリットなどを解説します。

是非参考にして、効率的な開発に活用してみてください。

V字モデルとは?開発ごとにテストを行う

V字モデルとは?各開発工程ごとにテストを行うモデル

V字モデルとは、ウォーターフォール型を発展させた上位互換モデルとして誕生した開発手法です。

V字モデルによる開発では、作業は開発工程とテスト工程に分けて順番に行われ、原則として後戻りはできません。

V字モデルは、ウォーターフォールの流れを元に、開発工程とテスト工程は実装(開発、コーディング、プログラミングなどとも)の段階で折り返す形になっていて、テスト工程のテスト内容がそれぞれの開発工程の内容と対応することで、検証の精度を高めたモデルとなっています。

それぞれの工程を以下の表にまとめます。

開発工程テスト内容テスト工程
1.要件定義→ 要件定義の内容について7.システムテスト
2.基本設計→ 基本設計の内容について6.結合テスト
3.詳細設計→ 詳細設計の内容について5.単体テスト
4.実装

V字モデルでの開発の流れ

要件定義に対応したシステムテストを行う

最初に、開発に必要な期間やコストを定める必要があります。

こうした内容を参考として、何を実装するかを定めることが要件定義です。

この要件定義の内容をテストするのがシステムテストとなっています。

システムテストは、要件通りの機能や性能になっているか、不具合はないか、基準を満たす品質になっているかなど、要件定義した内容が実現しているかを確認するテストです。

基本設計に対応した結合テストを行う

基本設計では、ユーザーインタフェースなどのユーザーが利用する部分の設計を行います。

そして、それに対応する形で基本設計の内容を確認するのが結合テストです。

結合テストでは、インターフェースが基本設計通りか、システムが負荷に耐えられるかなど、ユーザーが快適に利用できるかをチェックする内容となっています。

詳細設計に対応した単体テストを行う

詳細設計とは、ユーザーから見えない部分である機能間の調整などの設計です。

詳細設計に対応する単体テストでは、システムの仕様やシステムがプログラム通りに動いているかなどを検証します。

これらのテスト内容はブラックボックスやホワイトボックスと呼ばれることもあります。

機能が正常に働き、単体で作動するかをチェックすることが目的となっています。

実装

実装とは、基本設計や詳細設計をもとにプログラミングを行うことで機能を開発する工程です。

これまでの工程で決めてきた内容をもとに、設計に従って行われます。

V字モデルはもう古い?U字モデルとの違い

U字モデルとは、V字モデルを元に、ツールによる自動化を行うことで、詳細設計から単体テストまでの工程を省略したモデルのことを示します。

つまり、要件定義、基本設計、結合テスト、総合テストのみを行うこととなり、実装に関する手順を全て自動化するという開発モデルとなっています。

U字モデルは工程を大幅に省略でき、開発を高速で行えるようになるなど、多くのメリットがあります。

U字モデルの登場によって、V字モデルは古いモデルだと思うかもしれませんが、実際にはU字モデルは新しい技術となっていて、まだ普及していません。

現在でもV字モデルが活用されている現場が多いこともあり、V字モデルが古いモデルとは言えないでしょう。

 

V字モデルのメリットとデメリット

V字モデルのメリット

不具合を早期発見することができる

V字モデルではテストを行いながら次の工程へと進むため、後になって不具合を発見するというリスクを軽減することができます。

例として、完成間際のタイミングで、根本的な不具合が見つかってしまった場合、修正するためには大幅なコストが必要となってしまいます。

このように不具合を見逃さないためにも、テストを行うことで不具合を早期発見することができる点は、V字モデルによる開発のメリットです。

検証内容が明確になる

V字モデルでは、開発工程とテスト工程が対応しているため、実施するテストによって何を行うのか、検証内容が明確になる点がメリットです。

具体的には先の項目で説明したように、要件定義の内容を確認するシステムテスト、基本設計の内容を確認する結合テスト、詳細設計の内容を確認する単体テストというように検証内容が決まっています。

それぞれのテストの検証の精度が高まり、漏れの少ない検証が可能になるため、品質向上やミスのリスク削減につながります。

プロジェクトの進捗管理がしやすい

開発工程とテスト工程が対応していることから、開発工程の作業ごとの目的やゴールも明確になりやすいです。

また、テスト作業にかかるスケジュールも見積りやすくなります。

さらに、テストで判明する不具合や修正対応などの工数をチェックすることで、長期的なスケジュールの見通しも立てやすくなります。

このように、テストを行うことで訂正の作業などを含めたプロジェクトの全体像が把握しやすくなり、プロジェクトの進捗管理がしやすい点もV字モデルのメリットです。

V字モデルのデメリット

上流工程での不具合が致命傷となる

V字モデルはウォーターフォールを元とした考え方であり、基本的には各工程でミスがないことを前提とした一方通行の作業進行が想定されています。

つまり、手戻りを想定していないモデルのため、もしも手戻りの必要性が出た場合は修正のために大幅な時間のロスとなってしまいます。

また、各工程ごとに不具合があると、次以降の工程で問題となって現れます。

特に、早期の工程による不具合ほどダメージは大きくなり、上流工程での不具合であれば致命傷となることも多いです。

顧客の要望に臨機応変に対応できない

上述した通り、V字モデルは一方通行の作業進行が想定されており、開発の計画も全体像を想定して行われます。

一方で、システム開発には途中から顧客の要望変更があることも少なくありません。

ところが、V字モデルでは、途中で一部を変更しようと思った場合、全体に影響が及ぶことも少なくありません。

このように、仕様の変更要求などの顧客の要望に臨機応変に対応できない点は、V字モデルのデメリットと言えるでしょう。

 

V字モデルの活用事例

ウォーターフォール型アジャイル型
特徴
  1. 要件定義
  2. 基本設計(外部設計)
  3. 詳細設計(内部設計)
  4. 実装(コーディング)
  5. 単体テスト
  6. 結合テスト
  7. システムテスト

上記の工程でシステム全体を開発する手法。

スケジュールや進捗の管理がしやすいのが特徴。

  1. 要件定義
  2. 基本設計(外部設計)
  3. 詳細設計(内部設計)
  4. 実装(コーディング)
  5. 単体テスト
  6. 結合テスト
  7. システムテスト

上記の工程で機能ごとに開発する手法。

仕様変更など手戻りのリスクを減らせるのが特徴

活用方法

システム全体を通してV字モデルに沿って開発を行う。

手戻りの負担が大きいため、設計段階の内容が実装できているかを確認できるため手戻りを減らすことができる。

機能ごとの開発をV字モデルに沿って開発を行う。

ウォーターフォール型に比べると手戻りの影響が少ないものの、同様に手戻りのリスクを減らすことができる。

ウォーターフォール型開発に活用する

ウォーターフォール型の開発では、手戻りの負担が大きく、基本的にはミスが発生しないように次の工程に進むことが重要です。

そこで、V字モデルを採用することで、ミスが発生するリスクを抑えることが可能です。

アジャイル型開発に活用する

アジャイル型の開発では、顧客満足度を最大限に高めることを目的としていて、仕様変更に対して柔軟に対応できるように、細かい範囲の開発サイクルを繰り返して手戻りの負担を小さくした方法となっています。

手戻りの負担は小さいものの、全体の作業が大きくなってしまうため、細かい範囲の開発サイクルの中でV字モデルに沿って開発を行うことで開発の効率化に繋がります。

 

パッケージ開発なら検証作業が少なく、システム開発ができる

パッケージ開発とは、あらかじめ用意されている機能を組み合わせるだけで開発を行うことができる開発方法です。

コーディングやプログラミングによる開発がほとんど必要なく、工数が少ないため、短期間で不具合が起こりにくいシステムを開発することができます。

すでに完成された機能を使った開発のため、検証作業も少なくても十分だと言えるでしょう。

また、パッケージ開発であれば、機能を組み替えることで仕様変更などの顧客の意向にも対応することができ、他の開発では工数が多くなりがちな問題にも対処することができます。

ウォーターフォール型やアジャイル型の開発のデメリットに強い開発方法となっているため、既存の開発方法のデメリットが気になる方は検討してみても良いでしょう。

 

まとめ

本記事では、V字モデルとはそもそも何なのか、開発の流れやU字モデルとの違い、V字モデルのメリット・デメリット、活用事例について解説しました。

V字モデルは設計されたものが正しく実装できているかを工程ごとに確認できるため、手戻りのリスクを減らすことができます。

そのため、様々な開発手法に取り入れて活用することで効率化を実現します。

また先述したように効率よく開発するにはパッケージ開発がおすすめです。

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