近年、ビジネスにおける新たなトレンドとして注目されているのが「シェアリングエコノミー」です。
文字通り、共有する経済という意味合いですが、具体的にどのようなものを指すのかよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
今回はシェアリングエコノミーについて、注目される理由やメリットデメリット、シェアリングエコノミーにおけるビジネスチャンスなどについて解説していきます。
目次
シェアリングエコノミーとは?わかりやすく解説
まずは、そもそもシェアリングエコノミーとはどのようなことを指すのでしょうか。
シェアリングエコノミーとは?
シェアリングエコノミーは、直訳すると「共有経済」です。
その名の通り、個人や企業が持つ資産を、プラットフォームを通して取引する経済圏のことを指します。
一般社団法人シェアリングエコノミー協会によると、シェアリングエコノミーでシェアされる資産は「空間」「スキル」「移動」「お金」「モノ」の5つの領域に分けることができると定義されています。
シェアリングエコノミーの今後の市場動向
シェアリングエコノミー協会によると、2021年におけるシェアリングエコノミーの市場規模は2兆4,198億円とかなり大きい規模であることが分かります。
さらに、前述の5つの領域のそれぞれの成長により、2030年には「14兆2,799億円」に市場が拡大すると予想されており、今後もますますシェアリングエコノミーの市場が拡大していくことが予想されます。
シェアリングエコノミーが注目される理由
では、なぜシェアリングエコノミーはここまで成長が見込まれる注目の経済圏になったのでしょうか。
価値観が「所有」から「心の豊かさ」へ変化している
シェアリングエコノミーが注目される理由として、歴史的な側面から考えると、価値観の変化が挙げられます。
第二次世界大戦後は、日本はもちろん、世界の先進国が大きく経済成長を遂げた時期であり、モノを所有するということが豊かさの象徴となる時代でした。
一方、2000年代以降はモノの豊かさが飽和し、モノを所有することよりも自分の価値観にマッチした体験を通じた心の豊かさを重視する時代へと変化してきました。
これにより、人々のモノに対する執着心は薄れ、自分の所有物をシェアするというシェアリングエコノミーの価値観が受け入れられやすくなってきたと考えられます。
また、シェアリングエコノミーを利用するユーザーとしても、他人の所有物を利用するという抵抗感が薄れ、かつ所有せずとも新しい体験をどんどんと得られるという魅力が刺さっていると考えられます。
低コストでサービスが利用できる
所有に対する価値観の変化を背景としつつも、シェアリングエコノミーが注目される最も直接的な理由は、低コストでサービスが利用できる点です。
シェアリングエコノミーにおいて資産を提供する側はあくまで遊休資産を有効活用しているにすぎず、シェアをするために初期投資を行なっているという構図ではありません。
このため、低コストでサービスを提供することができるのです。
行政や協会がシェアリングエコノミーを推進している
さらに、行政や協会がシェアリングエコノミーを推進していることも挙げられます。
一般社団法人のシェアリングエコノミー協会が精力的にプロモーション活動に取り組んでいるだけでなく、デジタル庁などもシェアリングエコノミーを推奨しています。
こういった行政組織がシェアリングエコノミーを推進する背景としては、スキルのシェアリングが副業の活性化に繋がったり、不動産のシェアリングが空き家問題の解消につながったりと、日本の中長期的な課題を解決する可能性をシェアリングエコノミーが秘めているという点があります。
シェアリングエコノミーのメリット
シェアリングエコノミーは、資産をシェアしたりシェアされたりする利用者側と、シェアリングエコノミーを提供するサービス事業者側に分けることができます。
以下では、サービス利用者と事業者に分けてシェアリングエコノミーのメリットを紹介します。
サービス利用者のメリット
まずは、サービス利用者側のメリットを解説します。
低価格で商品やサービスを利用できる
シェアされている資産を利用するユーザーにとっては、実際にモノやサービスを購入するよりも低価格で利用できるというのが非常に大きいメリットです。
余っている資源を有効活用できる
シェアリングエコノミーで資産をシェアする側にとっては、余っている資産、スキルを有効活用してマネタイズできるというメリットがあります。
あくまで余っている資産やスキルをシェアする、という感覚であるため、ゼロから事業を立ち上げるよりもハードルが低く、すぐにお金を稼ぎやすいというのがメリットです。
管理する負担が減る
モノを所有する場合、自分自身だけが使えるというメリットはある一方で、管理の手間が大変というデメリットがあります。
一方、シェアされている資産を利用する場合、あくまでニーズに応じてサービスを活用すればよいだけであり、資産の管理自体は所有者が行なってくれるため、こうした管理の負担を考えずに気軽にサービスを利用できます。
事業者のメリット
一方、シェアリングエコノミーのサービスを提供する事業者には、以下のようなメリットがあります。
手数料ビジネスのため、利益率が高い
事業者はあくまでシェアリングが行われるプラットフォームを提供するだけで、シェアリングが発生すれば手数料をもらうというシンプルなビジネスモデルのため、利益率が高いというメリットがあります。
初期費用が最小限で収まる
さらに利益率が高い理由として、ビジネスモデルのシンプルさに加え、初期費用がかからないという点があります。
シェアリングエコノミーはあくまでマッチングを提供するのみであるため、商材を仕入れる必要がなく人件費以外の初期費用があまりかからないというのもメリットです。
在庫を抱えるリスクがない
商材を仕入れる必要がないということは、初期費用を抑えられるだけでなく、在庫が余ってしまうといったような赤字リスクを最小限に抑えることができているというメリットにも繋がります。
シェアリングエコノミーのデメリット
一方、シェアリングエコノミーのデメリットは以下の通りです。
サービス利用者のデメリット
まずは、サービス利用者側のデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
トラブルが起こることがある
シェアリングエコノミーの基本は、あくまでシェアする側とシェアされる側の個人の取引です。
このため、悪意を持って悪質な資産をシェアリングしているユーザーや、シェアされた資産をぞんざいに扱うユーザーとマッチングした場合、トラブルが起こるリスクがあります。
もちろんプラットフォーム側で利用規約や審査などを設けている場合も多いですが、やはり利用者同士のマッチングという特性がある以上、その他のサービスとくらべてトラブルが多いのはデメリットです。
保険や保証制度の整備がされていない場合もある
また、シェアリングエコノミー自体が新しい形態の経済圏であるため、こうしたトラブルに対応した保険や保証の整備が追いついておらず、トラブル後に適切なアフターフォローを受けるのが難しいというのもデメリットとして挙げられます。
事業者のデメリット
一方、事業者側のデメリットとしては、初期の集客の難易度が高い点です。
メリットに挙げたように、無形商材の手数料ビジネスであるため、一度軌道にのればリスクを抑えながら安定した収益が期待できます。
一方、それはあくまでシェアするユーザーとシェアされるユーザーが十分に揃っている状態での話です。
ユーザーが十分に存在しないとプラットフォームを利用するメリットが薄くなり、さらにユーザーが離れていってしまうことにつながるため、一定のユーザー数に達するまでは広告などを活用して集客をする努力が必要になります。
シェアリングエコノミーの具体例
シェアリングエコノミーの具体例を、シェアリングエコノミー協会が定義する領域別に紹介します。
空間のシェア
空間のシェアで挙げられるのが、Airbnb (エアビーアンドビー)ではないでしょうか。
Airbnb (エアビーアンドビー)は、シェアリングエコノミーの先駆けとも言われるビジネスで、遊休資産となっている自宅や別宅をホテルがわりに貸し出すというビジネスモデルです。
乗り物のシェア
乗り物のシェアでは、「カーシェア」のサービスが有名です。
例えばCtoCのカーシェアサービスのAnyca(エニカ)では、車を使わない時に活用したいオーナーと、日帰り旅行や出張など短期間で車を利用したいユーザーをマッチングするサービスを提供しています。
モノのシェア
レンタルサービスや、フリマアプリなど様々な商品をシェアするのがモノのシェアにあたります。
例えば、airCloset(エアクローゼット)は、プロのスタイリストが利用者にあわせてセレクトした洋服を月額制でレンタルできるサービスを提供しています。
これはモノのシェアであると同時に、後述のスキルのシェアでもあるといえるでしょう。
スキルのシェア
スキルのシェアは、空間や乗り物、モノなどと異なり、個人が持つ様々なスキルという無形資産をシェアする唯一の領域です。
ビジネス課題を抱える企業と、スポットでコンサルティングができる会社員やフリーランスをマッチングするビザスクなどがこうしたスキルのシェアに該当します。
お金のシェア
お金のシェアは、通常の商品の購入ではなく、今後の期待値も込めて投資をするようなイメージがわかりやすいでしょう。
具体的には、自己資金がない人がビジネスをはじめる際にお金を募るクラウドファンディングなどがお金のシェアに該当します。
【これからビジネスを始める場合】最短でサイトを開発する方法
シェアリングエコノミーは、行政なども注目し、今後市場規模の拡大が予想される領域です。
このため、今後シェアリングエコノミー市場でビジネスを始めたいと考える方も多いでしょう。
しかし、シェアリングエコノミー市場でビジネスをするには、プラットフォームとなるマッチングサイトが必須です。
もちろん技術的なリソースが豊富にある場合にはマッチングサイトを自社で作ることもできますが、より短期間で、かつ専門的な知識がない場合でもマッチングサイトを作るには、パッケージ開発がおすすめです。
まとめ
シェアリングエコノミーは、人々の価値観の変化という大局を捉えた、今後さらなる成長が見込まれる経済圏です。
今後さらに成長していく市場のため、シェアリングエコノミーのビジネスを行いたいと考える企業も多いでしょう。
こうしたビジネスをはじめるにはプラットフォームとなるサイトが必須ですが、技術的なリソースがない場合はパッケージ開発で行うことがおすすめです。
さらに、マッチングサイトには決済機能やカスタマーサポート機能など、通常のホームページとは異なる機能が必須となってくるため、単なるパッケージ開発ではなく、「マッチングサイト」というジャンルに特化したパッケージ開発を行うのがベストです。
マッチングクラウドであれば、短期間で開発が可能なだけでなく、集客からカスタマーサポートまで網羅した開発が可能です。
シェアリングエコノミービジネスを検討されている方は、ぜひ一度お問い合わせください。