近年、DXを推進させる取り組みとして、ローコード開発が注目されています。
柔軟な対応が可能で、迅速な開発を行うことができるローコード開発ですが、どのようなものなのかわからない人や、ノーコード開発との違いがわからないという人も少なくないでしょう。
そこで、本記事ではローコード開発とノーコード開発の違いから、ローコード開発のメリットやデメリット、ローコード開発ツールを選ぶポイントなどについて解説します。
目次
ローコード開発とノーコード開発の違いについて解説
少しのプログラミングで開発ができるローコード開発とは？
ローコード開発（Low Code）とは、一般的なゼロからソースコードを記述して行う開発と比べて、少ないコーディングで開発を行うことができる開発方法です。
グラフィカルユーザーインターフェース（GUI）と呼ばれる、視覚的な操作で画面やロジックを組み立てることで、短い開発期間で高品質なシステム開発を行うことができます。
コーディングの量の少なさに対して、高い機能性を保っていて、比較的簡単に開発を行いながらも、様々な機能を実装することが可能な特徴を持っています。
プログラミングの知識が不要なノーコード開発とは？
ノーコード開発（NoCode）とは、コードの記述を一切しないで、システム開発を行うことができる開発方法です。
あらかじめ備え付けてある機能やテンプレートを多数ある中から組み合わせることで、専門知識を持たないような人でもシステムを開発することが可能です。
備え付けてある機能を組み合わせて開発を行うため、機能がシンプルなアプリケーションや、複雑な設定が必要のないアプリケーションの開発に適しています。
ローコード開発とノーコード開発の４つの違いとは？
| ローコード | ノーコード | |
|---|---|---|
| ソースコードを記述する必要性 | 必要に応じて | 必要ない |
| 開発の簡単さ | 様々な知識が必要 | 知識がなくても開発可能 |
| 開発期間 | 短い | さらに短い |
| 機能性 | 様々な機能を実装可能 | 機能が限られる |
ノーコードはコーディングせずに開発ができる
ノーコード開発はコーディングをせずにシステムを開発することができる点が大きな特徴となります。
既にある機能を組み合わせるだけでシステム開発が可能なため、知識を持たない人でも開発を行うことができます。
ノーコード開発を行うかどうかは、利用者のスキルに応じて使い分けると良いでしょう。
ノーコードはコストが抑えやすい
ノーコード開発は、ローコード開発と比較しても、開発の簡単さや、開発期間の短さで勝ります。
そのため、作業時間や人件費など、様々なコストの削減に繋がることから、ノーコード開発で十分なシステムの場合は、ノーコード開発を行うメリットが大きいです。
ノーコードは機能性が限られる
ノーコード開発は、使用するプラットフォーム毎に実装可能な機能が限られています。
一方で、ローコード開発は自分でソースコードを書くことで、プラットフォームに存在しない機能を実装することができます。
開発するシステムに必要な機能を予め検討したうえで、見合った開発方法を選ぶことが重要です。
ローコード開発にはどういった言語が使われるのか？
ローコード開発に用いられる言語は、使用するローコード開発ツールによって異なります。
例として、Salesforceと呼ばれる顧客情報を一元的に管理することが可能なクラウド型プラットフォームでは、「Apex」「SOQL」というSalesforce独自の開発言語が使用されています。
これらの言語は独自の言語にはなりますが、「Java」「SQL」といった広く使われているプログラミング言語が元になっており、似ている部分も多いです。
そのため、基本的には一般的に有名な開発言語を扱うことができれば問題なく利用できると考えられます。
扱える言語からローコード開発ツールを選択すると良いでしょう。
ローコード開発を採用するメリット・デメリット
ローコード開発を採用するメリット
コストを大幅に削減できる
ローコード開発では、サイト作成に必要な基本機能やテンプレート機能を開発しなくても実装することが可能です。
そのため細かい部分や足りない必要機能などを追加するだけで開発をすることができ、開発期間や費用といったコストの大幅な削減に繋がります。
開発に必要なスキルが簡単
ローコード開発は基本的な機能であればコードを書かずに実装することが可能です。
そのため、作りたいサイトがあり技術的に問題があった場合でも、ローコードプラットフォームを使うことで、求められるスキルのハードルを下げることができるでしょう。
システムの変更がしやすい
システムを完成させた後で、機能を追加・削減といった編集をする必要がある場合も多いです。
ローコード開発を用いた場合は、拡張性の高さや構造のシンプルさなどから、システムの編集も行いやすいものとなっています。
ローコード開発を採用するデメリット
機能がプラットフォームに依存する
コードを書かずに実装できる機能は、プラットフォーム毎によって予め実装されているものに限ります。
もちろん、自分でコードを書くことで機能を追加することは可能です。
しかしながら、複雑なコードを書く必要がある高度な機能や、多くの機能を追加する必要がある場合は、ローコード開発では対応が難しいでしょう。
システムに関する知識が必要
ローコード開発では、ソースコードをほとんど書く必要がないためシステム開発をするために必要な知識は比較的少ないと言えます。
しかしながら、システムの設計に関する知識は必要となります。
それは一般的な開発の際にも必要となる知識であり、簡単にシステム開発ができるとはいえ最低限の知識が要求される点には注意が必要です。
また不足した機能を追加したい場合はコーディングをしなければならないため、コーディングに関する知識が必要です。
ローコード開発はトレンドでDXの推進にも活用されている
現在、あらゆる企業でDXを推進する動きが活発になっていますが、それを担うことができるIT人材は不足しています。
そこで、ローコード開発が注目されています。
その理由としては少ない知識でも高度なシステムを開発できるためです。
ローコード開発は、多少の知識があれば開発することができるため、高度なIT人材ではなくとも活用することができます。
ローコード開発が期待されている理由は以下の3点が挙げられます。
- 環境変化への対応力が高い
- 複雑なニーズに対応できる
- ・技術的なハードルが低い
それぞれの理由について解説します。
1つ目に環境変化への対応力が高い点です。
現代で従来の数か月以上かかる開発方法と違い、ローコード開発は最短数日で開発することが可能なため、環境の急激な変化に対応しやすく、開発途中で環境が変わってしまうというリスクも抑えることができます。
2つ目に複雑なニーズに対応できる点です。
基本的な開発の期間を短縮することで、機能の追加やニーズに合わせた改修などに時間を使うことが可能になるため、複雑なニーズにも対応しやすくなります。
3つ目に技術的なハードルが低い点です。
DXの推進は一刻も早く行うべきですが、そのためにはエンジニアが必要です。
ローコード開発は技術的なハードルが低いことから、エンジニアでない人でも開発に携わることができ、DXの推進に大きく貢献するでしょう。
最適なローコード開発ツールを選ぶコツ
自身が使用可能な言語かを確認する
前述したように、ローコード開発ツールはプラットフォーム毎に使用されるプログラミング言語が異なります。
そのため、事前に自身が使用可能な言語かどうかを確認する必要があります。
ローコード開発では、コーディングする量は少ないですが、多少はコーディングをする必要があるため、自信が扱える言語が用いられているプラットフォームでなければ、開発するのが難しいでしょう。
また、自身が知らない言語や、プラットフォーム独自の言語であっても、言語の種類によっては有名な言語と構造が似ているものがあるのでその場合は対応できる可能性があります。
また、ソースコードを書かなくても使える機能を持つプラットフォームがあれば、そちらを優先しても良いでしょう。
開発の目的に合う機能が備わっているかを確認する
ローコード開発ツールは、プラットフォームによって異なる機能や操作性になっています。
単純に機能の多さで選ぶのではなく、開発の目的や、開発するシステムに合わせて機能の量を選ぶことをオススメします。
なぜなら、実装されている機能が多くても、開発に必要としている機能が存在していなかったり、反対に機能が多すぎて使いづらかったりということが起こる可能性があるからです。
機能が少ないものはシンプルで使いやすいものとも考えられるでしょう。
使いやすいUIかどうかを確認する
UIの使いやすさは、生産性や開発するシステムの質に直結しやすい部分です。
特に、ローコード開発は、簡単に、短い時間で、良いものを作ることを目的として使う人が多いでしょう。
もしも、UIが使いづらいものであれば、操作に時間がかかってしまい、ローコード開発を使うメリットがあまりなくなってしまう可能性があります。
もし長期的に同じプラットフォームを使うのであれば、使いやすいUIかどうかを確認することは重要だと言えます。
使いやすいUIの開発ツールを探す場合は以下の記事も参考にしてみてください。
ローコード開発ツールについて詳しく知りたい方は「話題のローコード開発ツールとは？1～4位までランキング形式で紹介」を御覧ください。
まとめ
本記事では、ローコード開発とノーコード開発の違いから、ローコード開発に使われる言語の説明やローコード開発のメリット・デメリット、ローコード開発ツールを選ぶコツについて解説しました。
ローコード開発の特徴を理解して、ローコード開発を使うことで効果的な開発が行えるのかどうかを考えるようにすると良いでしょう。
また、どのようなシステムを開発するのか目標を明確にして、適したローコード開発ツールを選ぶことが大切です。
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